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【トピックス】技術力とグローバル化。

文:宮原 良信

僕たち、ものづくりをする人間なので、今の状況はもう何十年も前から危惧していたんですけれど。

近年、すっかり中国が豊かになりましたよね。昔は中国人のもの作りのお給料が、およそ、僕たちの30分の1や20分の1という時代があった。そして僕は、15年か20年ほど前から、何回かに分けて従業員を中国の工場視察ツアーへと連れて行っていました。現在の製造トップの人間も、当時連れて行っていて。
そのときはすでに、中国脅威論のようなものが世間に出ていました。中国のゴム工場の視察をおこなった日に、「どう思う?」って、一緒に行った従業員に聞いたんです。
そうしたらそのうちの一人が「ううん、別に、大したことないんじゃないでしょうか」と。
すごく優れているのかと思ったらそうでもなかった、なんてことを言うのですけれど、いや違うんや、と。
『この方々たちの給与は我々の20分の1なんだ。君たちはたった1人で、彼ら20人分の仕事が出来ると確信できるのか』という話を。僕は、そういうことを考えて欲しかったんですよね。
20人対あなた1人で、あなたの方がしっかりと仕事を出来なければ、あなたの給料が下がるか、ものづくりの世界から去るかどちらかになるんですよ、という至極シビアな現場を見て、感じてほしかった。

そういう状況が、どんどんどんどん拡がり近づいてきて、中国と過去ほどの差はなくなり、今や円安でさらに様相が違う。それでも日本の仕事は製造業の比率が比較的高いんです。

“いいものづくり”を、どう継続させていくか。

これもきっと、日本の製造業のサステナビリティのひとつの視点なのだろうと思っています。

▶︎ 宮原ゴムのサステナビリティ

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