1. HOME
  2. ブログ
  3. 粘着性の問題を解決する

粘着性の問題を解決する

素材の良さを殺さない

粘着性は3ヶ月しかもたない?

ある加工会社の方に聞くと、とあるメーカーで粘着性のあるゴムスポンジを購入し、倉庫に置いていたそうです。ところが3ヶ月程経つとそのゴムスポンジは粘着が弱くなり使えなくなったという話を聞きました。一般的にゴムスポンジ内部から出てくるガスが、粘着剤を犯していくという話しもあるのですが、はたして原因は、そのガスだけなのでしょうか?

粘着性の高い素材

ゴムスポンジはそのゴム原料によって様々な特性があります。例えばCRという汎用性の高い合成ゴム素材は、色々あるゴム原料の中でも特に、難燃性や、粘着性に優れた素材です。CRは「接着剤」の原料としても使われており、素材自身が粘着性の良いものです。粘着性が良いという事は「被着体」としても当然良いわけです。

素材を生かす配合

では、そんなCRのゴムスポンジで起こる粘着性の問題というのはどこにあるのか。ひとつ言えるのは素材そのものの特性を引き出せていない、もしくは潰してしまっているということです。元々粘着性の高い素材を使っているので、その素材を生かすことができれば粘着性に問題は出て来ることはほとんどないと言えます。一概には言えませんが、問題のある製品は、おそらくコストダウンのために、色んなものを混ぜてしまう配合部分が原因ではないかと思います。ですから上の図の様に、製造時に配合する素材の影響で、ガスが発生し粘着剤塗布面を劣化させてしまうのです。料理で言うと、化学調味料を入れて素材の良さを殺してしまうようなものです。

メーカーの視点で言えば、大量製品としてのコストと品質を考えるのは当然のことだと思います。しかし物性のレベルを下げた製品を開発しても、元々素材自体が持っている特性を生かすことはできるのです。

(宮原ゴム工業株式会社  宮原良信)

【納品事例 #002】 B社 [機械・機械部品製造]

CRゴムスポンジ:CR-350

他社製品で粘着不良がありながら長らく使っておられました。粘着剤を再塗布したり、プライマー処理を行ったり、直張り加工を両面テープに変えたりと色々試されたようですが、どれも解決策にはならなかったとの事でした。宮原ゴムの製品が粘着不良を起こさないと聞き、ご相談に来られ、CR-350をご提案。納品後、粘着に関する不良がゼロになり、安心して加工、納品が行えるようになったとの感想をいただけました。

関連記事