宮原ゴムのサステナビリティ

<商品開発について1>

同じ商品を同じ品質レベルで作り続ける、ということは、ものづくりの国と呼ばれている日本において当然の企業努力に思えるかもしれないが、ゴムスポンジでは非常に難易度が高い。以前「粉は魔物です」とのセミナー講師の言葉があった。書籍では「スポンジはアートである」と記述があった。学者が体系化できないものだからこそ、職人として僕たちが作り続ける意味があるのではないか。

<商品開発について2>

「連泡スポンジ」の作り方は大阪のメーカーさんから継承させてもらった。マニュアルがあるものではない。4ヶ月間そのメーカーの現場にフルタイムで入って学んだが、それでも作れなかった。「きっと無意識下で微細な分岐点がある」。誰もが重要なファクターじゃないと思っていることが、その分岐点だった。

<商品開発について3> 

ベテランは、新しい機械にとっつきにくい。逆に若い社員は意欲があって、前向きに慣れてくれる。新しい環境で新しい何かを継承するたびにレベルがあがっていってほしい。そして、ノウハウをもっと掴みたい。

<エネルギー効率について1>

ゴムスポンジの業界も『古いものをメンテして、大事に使うこと』が良しとされてきた。宮原ゴムも古いギアやパーツを使ってきたが、今は一新している。古いギアは伝達効率が悪い。

<エネルギー効率について2>

製品ごとに水の量をバルブで調節するのは職人仕事。古くなったバルブの角度も調節する。でも、本来これは職人仕事ではない。「温度は何度にして、ロールの速さはこれくらいで放出して…」そういうものを解明していくのが職人仕事じゃないか。現在は、水温が適正に保たれるよう監視・設定する機械を導入している。

<研修/育成の考え方>

ゴムを扱う会社として、宮原ゴムの社員にはゴムの知識が必要となる。ただし、ゴムの学問は現場では身につけにくい。「関西ゴム技術研修所」が実施する研修に社員(希望者のみ)が参加している。高校卒の方には大学入学のチャンスを、大学卒の方には、大学院入学のチャンスを提供する。(現在2名通信制の大学に在籍中/経営コース)

<働きやすい職場>

働く仲間としてのコミュニケーションは重要。休憩所に丸テーブルを置き、ちょっとした休息の間もリラックスして話せる環境にした。製造の状況も休憩室からモニターで見ることが可能。鍵付きロッカーも用意、個人のプライベートにも配慮したい。

神戸市長田区。昔はかなり同業他社があったが、今ゴムスポンジの会社は宮原ゴムだけ。この地域で生業するなかで、自分たちに何ができるか。1週間に1回、朝礼のあとに(会社の周りを)掃除している。この活動を始めてから、自治会の方が「いつもありがとうございます」とゴミ袋を持ってきてくれる。とてもありがたいコミュニケーションです。