独立気泡ゴムスポンジの収縮メカニズムについて
ガス透過性という特質
独立気泡スポンジは簡潔に言うとゴムボール(中空)の集合体と考えられます。連続気泡スポンジと違いひとつひとつの気泡が独立しており、隙間の埋まったゴムボールの固まりの様になっています。すべてのゴムボール(中空)は時間の経過と共にその硬さが失われ張りが無くなってしまいます(テニスボール、軟式野球ボールなど)。これはゴムの持つ「ガス透過性」という性質によって発生します。ボール内の空気圧の方が外気の空気圧より高いため、中から外へと空気はゴムを透過して出ていきます。この為、ゴムボールは当初の張りを時間と共に失っていくのです。ゴム風船が縮んでいくのも、これと同じ原理です。
ガス透過性の大きさ
ガスの透過性は大小ありますが、全てのゴム(合成ゴム、天然ゴム)が透過性を持っており、独立気泡スポンジの収縮は避けて通る事はできません。ガス透過性の大きい代表としては「NR(天然ゴム)」(用途:ゴムボールなど)、小さい代表としては「IIR(ブチルゴム)」(用途:タイヤのインナー、ゴムチューブなど)が上げられます。
品種によって縮み方は違いますが、夏季はその気温と湿気のため、一年の中で最も縮みやすい時期となり、高温、多湿、直射日光のあたる場所を避け保管する必要があります。冬期については比較的収縮の小さい時期ですが、NR系などのスポンジの場合少なからず収縮を起こします。製品の先入先出しは必ず行う様にご注意いただく必要があります。